仮に弁理士試験に合格してしまった場合、弁理士登録をするためには、実務修習と言う研修をクリアする必要があります。これがまた結構大変だったので、内容をメモしておきます。
この実務修習は、弁理士試験合格者の場合、合格した年の冬からスタートするものになります。最終合格後結構早くに、主催している弁理士会から受講案内が来ます。ちなみに受講料は11万円くらいと結構高いです。
大体の人は、課題が解けなくなってしまうせいか、他に知り合いがいるうちに受けるのか合格年度に受ける場合が多いようです。合格同期でも、結局企業から転職せずに登録予定がない人も実務修習自体は結構受けていました。
内容としては、弁理士の実務に必要な知識のEラーニング+事前課題の提出の必要な座学の講座になります。Eラーニングについては、聞いた後に再チャレンジ可能なミニテストみたいなのがありますが、大体時間さえかければ普通に終わります。
問題は座学の講座の方です。この座学の講座は弁理士会館で行われるのですが、まず最初に日程の抽選があります。抽選候補は、週末と、平日と、平日1週間くらいでまとめて受講するパターンです。
この抽選は物凄く、一般企業に勤めていても普通に平日1週間のコースが割り当たってきます。一般企業でいきなり1週間も休める人は、とっくにクビになってると思うんですが。しかも、リスケジュールを頼むには、職場の上司の事情説明書を会社から出してもらう必要があるとか、個人で勝手に弁理士試験を受験していた場合はそれだけで詰んでしまうような内容です。現在の弁理士の登録率が低いのは、この辺りも関係しているんじゃないかと思います。
なお、このスケジュール振替をしてもらった場合でも、事前提出課題の採点は、振替前のクラスの担当講師が行います。つまり、実際に受講するクラスの担当講師は別の方になります。その結果、受講中の指導通りの再提出課題の修正を行っても、課題は普通に再々提出になったりします。
また、前記の事前課題が実務経験0の場合かなりハードルが高く、今までの弁理士試験での勉強内容はなんだったんだと言うくらい関連性がありません。
対応としては、基本的に実務をやってる人に教えてもらうことになります。と言うのも、これは採点基準に満たないと、何度も再提出になるからです。しかも、講師によって採点基準が異なり、同じクラスを受講した人のクリアパターンを教えてもらわないと大体何度も帰ってきます。確か2回目の再提出で合格できないと、その年の実務修習自体が不合格になります。
さらにスケジュールは朝早くから始まるのに、前記の通り開催場所が都心のど真ん中の上、理由を問わず15分以上遅刻するとそれだけでその年の実務修習自体が不合格になるという鬼さなので、もし受講する場合は注意したほうが良いです。
ちなみに座学の課題の再提出を喰らってしまった場合、実務修習の合否が出るのは、実際に弁理士試験に最終合格してから、かなり遅い時期になります。場合によっては実務修習の終了式までに出ない場合もあり、事務所等への転職を予定されている方は注意をされた方が良いです。
具体的には、基本的に事務所等へ弁理士としての転職をする場合、当然に実務修習の完了が条件となります。つまり、実務修習の結果が出る前に見込みで転職活動を始めてしまうか、結果が出てから転職活動を始めるかの二択になります。当然後者の場合は倍率が高くなります。前者の場合は、実務修習に落ちてしまうと、転職できなくなります。この実際に弁理士試験に合格してから、転職活動できるまでがかなりかかる辺りも、弁理士の登録率を下げている原因になってるんじゃないかと思います。