この記事では、弁理士試験の試験概要について、合格者の視点から説明します。まず、弁理士試験は、年一回実施される一次試験~三次試験で構成される試験で、弁理士になるためには、全てに合格する必要があります。三次試験は、二次試験に合格しないと受験することができず、二次試験は一次試験に合格しないと受験することができません。言い換えれば、一次試験で不合格であった場合は、そこでその年は終了ということです。
1.短答試験
一次試験は、五月に行われる短答試験で、マークシート形式の選択試験です。合格率については、10%~20%と、全試験の中で一番年によって変化する試験になっています。と言うのも、どうやら、口述試験を受けることができる人数がある程度固定であるための様子です。また、論文試験の合格率は、大体25%前後になっています。つまり、論文試験の合格率による口述受験生が、受験可能な人数になるように、短答試験の合格率が変化している印象を受けます。
近年は、科目ごとに既定の点数以上を取っていないと自動的に不合格になる足切り制度が導入されたため、中上級性からは、一次試験なのに、最も難しい試験とか言われています。都合で、予備校とかは不利益になるので書かないようなのですが、通常、普通の人が思い付きで受験しても、まず合格するのが難しい試験です。短答試験の合格者数から逆算すると、受験を開始した人の大多数は、ここで何年も合格できずに、引退していきます。ただし、前述の理由から、このまま受験者総数が激減していけば、そのうち最大の関門は、論文試験になるのかもしれません。
大事な点としては、傾向として、マークシートの選択形式であることや、運転免許の試験のような非常にひっかけ要素の強い選択しから、いわゆる受験勉強が得意だった人の方が有利の気がします。とある合格者さんの「受かる人は何度でも受かる試験」というのも、この辺りが関係しているのかもしれません。
2.論文試験
二次試験は、七月に行われる論文試験で、記述式の論文を書く試験です。合格率については、意外に安定しており、大体25%前後です。論文とは、出題された問題に対して、答案を構成してボールペン等で筆記して答案を作成します。つまり、問題を把握する能力と、答案を構成する能力と、実際に手で記述する能力が必要です。制限時間も結構ギリギリから足りないくらいに設定されており、普段手で文字を書く生活をしていない人は、採点者が読める文字を書くところからの対策になります。やはり、字が汚い人は、答練では高得点が付くのに、合格は遅いというパターンを見かける気がします。
大事な点としては、いわゆる論文だからと言って、回答者の意見を聞いているということでは全くない、という点が挙げられます。適当に書いても、採点基準が可視化しずらい小論文とは異なり、かなり厳密な採点基準があるためです。具体的には、採点者の事前に作成した模範答案があり、それにそって書かれているかが、採点の全てになります。もう少し補足すると、受験生の大多数が書く答案が一番高得点が付く答案になります。
3.論文試験
三次試験は、10に行われる口述試験で、面接形式の口頭試問試験です。合格率については、近年は、ほぼ100%に近いようです。そもそもの受験者数が激減しているので、あまり落としても仕方がないということでしょうか。半面、受験生としては、不合格になってしまうと、来年まで何をして対策するのか非常に難しいことになります。と言うのも、過去は、結構な人数が不合格になったこともあり、通年の口述対策講座のようなものがあったそうなのですが、近年では、ほぼ合格する都合で、その手のものがなくなっています。私のころでも、口述試験専門の対策講座は、論文試験の後、口述試験の前くらいまでしか開催されていませんでした。
大事な点としては、学習した知識を口で話せるか、という点につきます。この内容は、これまでの短答、論文試験とかなり異なるため、非常に苦戦する方も多いです。一例をあげると、特許法の1条を、一字一句たがえず丸ごと言ってくださいみたいな感じになります。前述の通り近年は、高い合格率の都合でかなりの助け舟が出るため、通常は問題ないとは思いますが、厳密に行われるとかなりきつい試験です。
kuroneko
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