短答試験対策の概要について

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Engin_Akyurt / Pixabay

 

 この記事は短答試験対策の概要についてです。まず短答試験は、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、著作権法および条約等の各分野から一定の割合で出題されます。過去は、特許法、実用新案法、意匠法および商標法の出題割合が多かった都合で、この分野が論文試験と口述試験との出題分野と被っていたため、この分野のみで8割を取って合格する、みたいな指導が流行っていました。

 

 近年では、分野ごとの足切り点数が設定されたため、全分野をある程度の割合で得点する必要があります。ちなみに、合格率こそ年々まちまちの短答試験ですが、なぜか合格点については39点の場合が多いです。この試験は、問題用紙に記入可能で、試験後に正解が公開されるため、自己採点が可能です。都合で、試験結果は、発表される前に確認が可能な点が重要です。

 

 対策としては、大きく2つの柱になります。これは一般の暗記試験と同様で、知識のインプットと、問題へのアウトプットになります。

 

 知識のアウトプットについては、基本的にはテキストを何度も繰り返し読んだり、講義の音声を繰り返し聞いたりという形になります。重要なのは、漠然とインプットをしているだけでは点は伸びないというところでしょうか。具体的には、インプット後にアウトプットで確認し、できなかったところを再度インプットするという作業が重要です。

 

 テキストとしては、LECの場合は、アドバンステキストと言うものが出回っているので、それを使うパターが多いと思います。私の流派では、産業財産権 四法対照と言う書籍に書き込みをして、何度も開くという手法も使われていました。いずれにせよ、大事な点は、あまり手を広げず、最小限かつ、最新の条文に適応した資料を使用することだと思います。

 

 知識のアウトプットについては、過去問をひたすら繰り返すというのがメインになると思います。間違えた箇所には印をつけて、試験前日まで繰り返すイメージです。一般的には、過去に出題された内容なんてそのままは出ないので意味がないのでは、と考えがちです。しかし、過去問は大体の受験生が仕上げてくるため、仮に過去問が解ける場合に解ける問題が本試験出てしまった場合は、合格者はほぼ確実にその部分を正解してきます。よって、知識の確認と言う意味もありますが、他の合格者に差をつけられないというのも重要です。この辺は、答練と模試とでも同様です。

 

 具体的には、本試験で1問が6枝で、正解を1つ選ぶという問題が出た場合を想定します。6枝全てが過去問と同じ、という事はまずありえませんが、構成する1枝づつであれば、過去問で問われていた内容と同じものが含まれている場合があります。つまり、1問中の例えば6枝において、過去問の枝が4枝含まれている場合、過去問の正解率が100%の人は、その4枝については問題ないので、残2枝を実力で解くことになります。これが過去問を回していなかった人は、6枝について実力で解く必要が出てしまうわけです。ある程度勉強していれば大体ボーダ前後の点数には行く試験で、この差はかなり厳しいです。

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kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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