短答試験の点数の取り方について(2)

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4.論文試験対策との関係

 論文試験の勉強についても、年内は、並列して結構力を入れてやると点数が上がると思います。短答の知識は制度をピンポイントで問うものが多いです。初学者は、短答の勉強のみに絞った場合に、全体の制度の流れとしての知識がつかないので、制度の流れで問われるような問題に弱いです。また、論文試験の対策で制度の流れを勉強することで、どこの知識が抜けているのかの把握が楽になります。

 

 最初の年は短答試験だけに絞ると言う作戦は、効率的ではありますが、短答試験の問題と論文試験の問題に関係性が出てきている近年では、逆に遠回りになる可能性があるので注意したほうが良いと思います。特に、短答試験の成績がボーダーぎりぎりで合格した場合は、まだ十分な知識が身についていないのに、論文試験の勉強に専念してしまったためか、論文試験側の点数も上がらず、いわゆる三振で再度短答試験を受験しなければならなくなってしまうこと人が多いです。

 

 ちなみに、三振とは、一度短答試験に合格すると、2年後まで短答試験が免除で論文試験を受験することができるようになるのですが、3回論文試験に不合格になってしまうことを言います。この場合は、再度短答試験から合格していく必要があります。

 

5.模試や答練の使い方について

 短答試験は、正解不正解がはっきり分かるので、答練や模試の結果の使い方が非常に重要になります。基本的にはその予備校でメインに設定されている大きなものは、確実に受け続けたほうが良いです。LECであれば、短答実戦答練になります。理由は、大きくは下記の2つに分かれます。

 

 一つ目は、インプットに対するアウトプット的な使い方をするためです。自分がどこが分からないのかを明確にする視点で、結果を見て、インプットする内容に反映させます。例えば、インプットに四法対照を使用しているのであれば、不正解個所の関係条文に間違えた内容をそのまま記入する等で、分からなかった場所は、確実につぶしていくのが重要です。都合で、答練等で点数が悪かった場合は、がっかりするのではなく、良いデータが取れたと思って、インプットに反映していきましょう。

 

 二つ目は、自分の現在の立ち位置が明確になる点です。特に年明け以降の答練や模試は、偏差値や順位を平均化すると、経験上、大体、その年の本試験の点数や順位になっている場合が多いです。これは受験人数の多い答練や、模試であるほど精度が上がります。受験生の母数の中での相対順位が結構正確に出るので重要です。短答の合格率が10%の場合、上位10%に入っていなければ、ほぼ合格できない、と考えて良いと思います。もっとも、答練や模試を受ける層は、受験生の中でもかなり上位の層であるため、上位10%に入っていれば、結果はかなり期待してもよいと思います。受験生の中には、なんとなくとか、特許事務所に所属しているので、ボスから言われて受験しているみたいな層も結構いるためです。

 

 一方で、直前数か月であまりに成績が悪い場合は、さすがに本試験で大逆転するとは考えにくいため、勉強方法を変える等の使い方をします。具体的には、勉強時間を増やしたり、テキストを変えたり等、詳細については、取っている講義の講師に相談するのが良いと思います。

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kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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