口述試験対策の概要について

Notebook Pen Table Book Note  - Engin_Akyurt / Pixabay 弁理士
Engin_Akyurt / Pixabay

 この記事では、口述試験対策の概要について扱います。まずは、口述試験は、論文試験と同様に、特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3つの試験があります。制限時間は、それぞれ10分程度なのですが、口頭試問で、試験官の進行で進むため、あまり関係がありません。

 

 実際の試験の進行のされ方としては、試験官の居る個室に一人づつ呼ばれて、あらかじめ用意された設問が試験官から口頭で質問されます。質問された質問に対して、受験生は、口頭で的確にこたえる必要があります。設問は、日程が複数日に渡る場合は、日ごとに異なる問題が出るようです。近年の同日の午前と午後との問題は一緒です。なお、個室には、参照用の法文集が用意されており、試験官に断って参照することは可能です。また、試験では、設問に付随して用意されたボードの内容を使用する場合があります。

 

 試験官は、かなり当たりはずれが多いようです。過去には、その試験官に当たるレーンの受験生は、全員不合格になるとかいう評判の立つ試験官も居たようです。近年では合格率の都合で、そこまでひどい試験官は聞いたことがありませんが、それでも複数の知り合いが落とされた部屋と言うのは確かにありました。

 

 ちなみに、落ちるというのは、予め試験側に用意された設問が、時間内に最後まで進行しなかった場合です。試験官によっては、受験生が回答できない、または、誤った回答をしている場合に、設問を飛ばして最後まで行くようですが、この場合は、最後に飛ばした設問について再度試問してくれるようなサービスがないと不合格になるようです。

 

 対策の概要としては、大きく2つになります。一つ目は、今までの試験になかった点として、とにかく、回答を自分の口で答える必要があります。これまでは、とりあえず筆記だったので、声が小さかったり、言葉で説明できなかったりするのは問題ありませんでした。しかし、口述試験だけは、全て自分の口で、試験官が分かるように説明する必要があります。

 

 この点は、実は正直非常に難しく、厳密に判定されたらもっと不合格になる人が多い気がします。例を挙げれば、特許法の1条をそのまま言ってください見たいな感じに出題されます。この場合は、特許法の1条を一字一句間違えずに答える必要があります。問題は、出題されるのが1条に限られるわけではないので、一般的な対策としては、メジャーな条文は、ほぼ全て覚えたりする人もいます。ただし、現実的ではないので、そこまではしない人もいます。

 

 また、丸暗記のものは暗記をすれば良いのですが、論文試験とは異なり、設問に対して、ある程度口頭で説明するボリュームに頭の中で整理して自分の口で説明する必要があります。当然すべての解答に対して事前に用意することができませんので、ある程度のアドリブが必要です。

 

 2つ目は、当然インプットです。基本的には、今までの短答試験と、論文試験とでインプットした知識が使えますが、前述の通り、条文を丸ごと言わされたり、と言った口述試験限定の論点を新たにインプットしていく必要があります。良くある対策としては、口述向けの受験生同士で問題を出し合う講座や、口述過去問集等があります。

 

The following two tabs change content below.

kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
タイトルとURLをコピーしました