この記事では、論文試験の選択科目対策の概要について扱います。論文試験には、選択科目と言うものがあります。これは、必須試験で必要とされる知識分野と別のいずれかの分野についての試験です。具体的には、機械、化学、また理工地等か、民法の分野になります。
結論から言ってしまうと、論文試験の選択科目は、受験しないほうが良いです。理由は大きく分けて3つあります。1つ目は、難易度がかなり難しいことです。いずれかの技術分野が、大学の専攻等と被る場合は、必須科目に比べて合格が容易そうですが、実は全くそんなことはありません。結局は、論文試験になってしまう都合で、やはり試験対策に過去問を勉強する必要があります。しかし、知る限り論文試験の選択科目の過去問の解答は、見かけたことがないためです。敵が良く分からなければ、当然対策は立てられません。
なお、過去は著作権法大人気だった時代があるのですが、制度改正で、特に技術的バックボーンがない人は、ほぼ民法一択になってしまいました。一方で、この民法ですが、私の年は、本当に全然合格者が出なかったそうで、知り合いで合格した方は、予備校の人に驚かれていたそうです。
2つ目は、試験対策の予備校の授業もほとんどないことです。そもそもの弁理士試験の受験者数が滝のように落ちている昨今では、元が取れないのかそもそも対策講座すら開講されていない科目の方が多いようです。一応、民法については見かけたことがありますが、前記の通り、難易度が異常なため、法学部卒だったりするような場合を除いては避けた方が良いと思います。
3つ目は、仮に受験する場合は、出題分野が必須試験と被らないのも曲者ですが、試験時期や結果発表時期も曲者だったりします。具体的には試験時期は論文の必須科目の後で、これの対策を別途勉強すると、その分の口述試験への対策が遅れます。それで居て結果発表は論文の必須科目と被っているので、とりあえず必須科目の結果が解る前に選択科目も受験する必要があります。つまり、最悪の場合は、必須科目に合格しているけど、選択科目で落ちたなんて言うパターンもあり得ます。
では、どうしたらよいのかと言えば、論文試験の選択試験の免除制度を利用します。論文試験の選択試験は、所定の条件を満たす別の資格を有している場合に、免除を受けられるためです。受験時代の周囲の大多数の人は、論文試験の選択科目を免除で通していました。具体的にの免除資格を使うかは、卒業した大学や、今の仕事によるので、一番適切なものを特許庁のホームページで選ぶのが一番良いと思います。
ちなみに周囲では、免除資格として情報処理技術者試験の応用情報処理技術者が大人気でした。私もたまたま応用情報処理技術者を持っていたのでそれで免除になっています。情報処理技術者試験と言うのは、IPAが主催する情報系の国家試験です。内訳は応用情報処理技術者以外にもいくつかあるのですが、弁理士試験の免除に申請できるものの中で、IPAの提唱する難易度設定が一番低いとされているのが、応用情報処理技術者試験と言うわけです。
人気の理由としては、一応座学で試験勉強と言う形で勉強が可能と言う辺りではないでしょうか。また、完全に1から勉強を始める場合、他の免除資格はかなり敷居が高いと思います。予備校もこれに目を付けたのか、近年では、LECでも、弁理士講座の講師で、かつ元応用情報処理試験の講師に、応用情報処理の講義をさせたりしているようです。
なお、情報処理技術者試験の開催は、4月と10月なのも人気の理由ではないかと思います。10月はちょうど論文の結果が出た辺りなので、短答免除組であれば、受験できそうな時期だと思います。状況によりますが、短答を受験しないのであれば、いざと言うときのために4月も一応ありだと思います。
こちらの勉強方法について、私は、弁理士試験とは全く関係なしで受けたので、当時のTacから出ていた応用情報処理技術者向けの講座を適当に聞いてから受験しました。但し、自信がなかったので、基本情報技術者試験に合格してから受験しています。
kuroneko
最新記事 by kuroneko (全て見る)
- JR銀行の特典のSuicaグリーン券を使ってみました。 - 2024年12月4日
- 奈良とか天橋立に行ってきました。 - 2024年12月3日
- 『『イースX -NORDICS-』は、変化をつけようとした結果微妙になってる感じでした。 - 2024年11月26日