この記事について
この記事は、「国家公務員の中途採用者選考試験(就職氷河期世代)を受けてみました。」です。
なんか遊んでばっかりでヤバイかなとか思い、話のタネに申し込んでみたのですが、予想以上にヤバイ試験でした。
あ、結果は1次試験で落ちました。
中途採用者選考試験(就職氷河期世代)とは
中途採用者選考試験(就職氷河期世代)とは、ニュースでちょっと前に話題になっていた、いわゆる就職氷河期救済の背策のうちの国家公務員採用枠試験のことですね。
ニュースで報道されていた通り、とりあえず倍率が物凄くて、別の受験会場でテロでも起きない限りは、とても合格しなそうな36倍とかでした。
ちなみに倍率は、申し込み後の忘れたころに発表されるので、もっと早く出せよって感じでした。
受験資格は、下記のような感じです。
〇受験資格:
1966(昭和41)年4月2日から1986(昭和61)年4月1日までに生まれた者等
当然ですが、とりあえず一応就職氷河期圏内じゃないと駄目です。
試験概要
試験概要としては、下記のような感じになっています。
1次試験
(1)基礎能力試験(多肢選択式):公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
解答題数:40題
知能分野:20題(文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈)
知識分野:20題(自然科学、人文科学、社会科学(時事を含む。))
解答時間:1時間30分
(2)作文試験:文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験
解答題数:1題
解答時間:50分
高卒程度とか言う触れ込みだったのですが、滅茶苦茶難しかったです。
あんなのすらすら解ける高校生は、天才だと思います。
実際の問題
とりあえず、数的処理の例題を上げてみます。
A,B,C,D,Eの5人は、それぞれ異なる色の消しゴムを持っている。
その色は、赤、青、黄、白、黒のどれかである。
5人は持っている消しゴムの色について、次のように述べている。
A「私の消しゴムは赤で、Bの消しゴムは白です」
B「私の消しゴムは赤で、Eの消しゴムは白です」
C「私の消しゴムは白で、Dの消しゴムは青です」
D「私の消しゴムは青で、Bの消しゴムは黒です」
E「私の消しゴムは黄色で、Cの消しゴムは黒です」
それぞれの言っていることは、半分が本当で半分がうそだとすると、正しいのは次のうちどれか。
1.Aは赤で、Eは白である。
2.Bは赤で、Cは白である。
3.Cは白で、Aは赤である。
4.Dは青で、Aは黒である。
5.Eは黄色で、Bは赤である。
さらっと解ける人は、よほど自頭が良い人だと思うのですが、いわゆる公式で解けないので、大体適切な表な表を作るとか、考え方を使わないと絶対に解けないようになって居ます。
この問題はまだ易しい方なのですが、解法としては、例えば、Aさんの言っていることの前半が正しい場合みたいな感じで場合分けをしてEさんまで検討して、矛盾が出なければ、その組み合わせが正しいみたいなやり方になります。
RPGのミニゲームかよ。
ちなみに正解は1です。
前準備
試験の申込み
2020年8月くらいに、10日間限定くらいであったので申し込みました。
手続き自体は、オンラインのみで完結し、受験料とかの徴収もありません。
問題は、受験地で、基本的にいずれかの大都市圏しかなく、めちゃくちゃ遠かった辺りでしょうか。
受けた講座とか
とりあえず、就職氷河期向けの試験は、過去問とかも全然出回っていないので、適当な講座を申し込んでみました。
〇東京アカデミー:
https://www.tokyo-ac.jp/blog/92955/
結論から言うと、ゴミ以下でした。
もっとも私の場合は、LECとか言うちょっとお値段の張る社会人向けの講座を別の試験で受講していたこともあり、評価がちょっときびしいのかもしれませんが。
評価の一番の理由は、受講した講座や、売りつけられた問題集の範囲内から出た問題が、そもそも40問中で10問以下だった点です。
受講した意味がないんですが。
また講座で登場する講師のレベルもバイトレベルで、割り当てられた時間が少なすぎるのもあるでしょうが、本試験では全く出なかったので、受講しなくても問題ない内容でした。
単刀直入に言って、試験範囲が把握できていない試験の対策講座をやっていたので、実質詐欺です。
問題集とか
予備校への申し込みをすると、通常の公務員(高卒レベル)向けの問題集が2冊送られてきたので、基本的にはこれをやっていました。
知能分野の問題集は、直視できないくらい難しくて、とにかく辛かったですね。
前述のような全く答えが出せないような問題が、分厚いラノベくらいの厚さでみっちり詰まったタイプで絶望を形にしたようなモノでした。
しかも、2,3回くらい最初から最後まで回したのですが、ほとんど解ける数が増えません。
余りにパターンが多すぎて、それぞれに専用の解法が必要なので難しすぎるんですね。
具体的には、1個の開放を理解しても解ける問題が2,3問みたいなノリで、100問以上突っ込んである問題集でした。
一応、知識分野の問題集は、中学高校くらいの社会系の教科書を圧縮したみたいな内容で、さすがに知能分野の問題集よりは読めば理解できる分マシで、逆に癒しになるとか言う地獄でした。
こちらは、普通にこの国の社会制度のしくみとか、民主主義の基本とか、国会の衆議院と参議院の違いとか、一般教養的に面白い内容が結構あったと思います。
偶然ですが、最近話題になってる知事の地方自治法におけるリコールの話ものっており、あれって、署名を集めた後の話は、結局住民投票が行われるだけなんですね。
そこで過半数の賛成がないと結局解任はできないので、まあ名簿を書き写しても、結局知事の解任は、できなかったんじゃないかと思いますが。
後、税金関係で出てたクロヨンとか言うのも面白かったです。
この国の税金の捕捉率の割合なのですが、給与所得者は約9割で税金がきっちり補足されているのに、自営業者は約6割、農業とかになってしまうと約4割くらいしか補足されていないそうです。
教科書に載るくらい明確に分かっているのに、何十年も放置されてるのはちょっと酷いのでは。
勉強時間とか
試験直前くらいは、大体平日1日1時間ちょっと、週末は、数時間くらい予備校から届いた問題集をやっていました。
例の勉強時間を付けるアプリで確認してみると、最終的には、講座の受講とかと合わせて、110時間くらいやっていたようです。
実際の受験
当日
当日の試験会場は、都内の私立大学でした。
ちなみに試験があったのは2020年11月です。
名前だけは聞いたことがあるんですけど、実際に入るのは当然初めてで、ちょっとお得な感じです。
都心の上結構おしゃれな校舎で、こんな大学に通ってたら、それは楽しい大学生活だったのかもしれません。
問題は、会場に現れた物凄い数の受験者たちで、とりあえず、事前に把握していた募集数から逆算すると、とても受からなそうなのが明白でした。
どうもニュースとかでも放映されていたらしいのですが、1つの受験会場に突っ込まれている数としては、いくらなんでも多すぎた気がします。
本試験の問題
本試験の問題については、前述の通り、事前に対策できた範囲で25%くらいでしょうか。
残りは、国語とか英語、特に近年の時事問題が滅茶苦茶多く、普段から普通に教養が高いっていうか、社会系の学校の先生みたいな仕事をしている人だと、得点できるような問題の印象でした。
ぶっちゃけ、対策として勉強しても、点数が上がるかは、かなり微妙なタイプです。
ちなみにマークシート形式なので、得点には、かなり運も絡んできます。
結果
結果としては、この試験は割とすぐに正解番号が公開される上、問題の持ち帰りが可能です。
つまりは、自己採点が可能なので、粗点自体は、すぐに分かります。
私の場合は、かなり運もあって、自己採点では26点でした。
満点が40点なので、一応6割は超えています。
1次試験の結果発表は、12月末の年末でした。
まあ、あの受験者数と倍率では、さすがに結果を確認するまでもなく、余裕で落ちるのですが。
問題のレベル的には、とにかく範囲が広すぎて、対策が難しいタイプだと考えられるため、普通に対策よりは、頭の良い人から受かった感じなんじゃないかと思います。
まとめ
なんかこの手の試験を3か年くらいやるらしいのですが、こんな倍率の難関試験に合格できる人は、給料や仕事内容的に、もっと稼げる仕事に就ける気がしますね。
手ごたえ的には、それくらい対策の難しい傾向の問題でした。
興味のある方は、下記の公式サイトもチェックしてみると色々面白いと思います。
〇人事院:
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/senkou/hyougaki.html
kuroneko
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