青函フェリーに乗ってみました。

Heritage Castle Architecture Himeji  - Nick115 / Pixabay 旅行
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この記事について

 この記事は、『青函フェリーに乗ってみました。』です。

 たまたま18きっぷで盛岡まで鈍行で行くとか言うレアな事態になったため、ついでに青森まで行って乗ってきました。

 18きっぷ記事の後の話ですね。

 

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青函フェリーとは

 青函フェリーとは、本州の青森と函館を結ぶフェリーですね。

 ええ、青函連絡船って、青函トンネルができたら、潰れたんじゃないっけとか言われそうですが、あれとは別の奴です。

 まあ、青函連絡船の定員は1000人を超えているのですが、青函フェリーの定員は100人くらいなので、実質無くなったといっても過言ではないのでしょうが。

 実際乗ったものを想像すると、あれで100人はかなり詰め込んでいる感じの規模のフェリーです。

 見た感じでは、車とかトラックを運ぶ方がメインで運用されている印象でした。

 そんなわけで、今回の経路はこちらになります。

 

 

 青函連絡船は、確かに青函トンネルの開通日に、いきなりバッサリ終了したそうなのですが、現在でも青森と函館の間には、当時と大体同じ航路で2つのフェリーが運航されています。

 そのうち安い方が、今回扱う名前的にちょっと出所混同の恐れがある名前の青函フェリーです。

 もう一つは、津軽海峡フェリーというのですが、あちらは18きっぷの場合、青函トンネルの新幹線オプションより高いので今回は割愛します。

 

 

 2社のフェリーが同じ航路でほぼ同じ時間に走っているのは、やっぱり事故った時の相互救助とかが目的なんですかね。

 青函連絡船の時も嵐で沈んだことがあったそうですし。

 ちなみに青森函館間の料金は、今の時期で片道2100円、往復割引で1000円台になります。

 片道3時間くらいは乗れるので、とりあえず安くフェリーに乗ってみたいみたいな人には、結構ありかもしれませんね。

 とか軽い気持ちだったのですが、後述の通り実際はかなり地獄でした。

 

行き

フェリーターミナルまで

 行きは、20時くらいに青森着だったので、そこから青函フェリーのフェリーターミナルを目指すことになります。

 ・・・が、なんと、物凄いことに、青函フェリーの青森側のフェリーターミナルまでは、直接行く方法がまずないんですね。

 もちろんタクシーなら行けますが、当然余裕で1000円を超えてしまうので、新幹線オプションでいけよみたいな感じになってしまいます。

 色々調べると、新田とか言うバス停で降りれば、どうにか徒歩圏内にたどり着けることが分かります。

 そこを通る最終のバスは、21時半過ぎに青森駅発なので、ちょっと時間をつぶしてから、それに乗るみたいな綱渡りになります。

 

 

 どれくらい綱渡りになるかというと、このバスを逃した場合は、かなり雪が積もって、軽く雪が降る中をグーグルマップで30分とか言う経路を歩くことになりますね。

 当然、こんなところまで来る予定はなかったので、ブーツとかではない普通の靴なので、駅前の雪が踏み固められた道すら、すでに滑りまくりなのですが。

 

 それにしても、青森駅前は何もなく、20時で駅ビルも締まってしまうとかいう恐ろしい場所でした。

 一応少し歩くと、コンビニや吉野家、ガストとかはあるのですが、それ以外は完全に無人です。

 まずは、駅前のバス停の場所を探さないと行けなかったのですが、ネットの情報では正直全く分かりません。

 青森のバス会社のHPが、大昔のケイタイ時代のレイアウトみたいなので止まっている感じで、明らかに地元で地名が分かっている人以外は、使い物にならないレベルだったんですね。

 仕方がないので、通りかかったバスの運転手さんに直接聞くと、ようやくバス停の場所が判明したりとかそんなレベルでした。

 後は、時間まで待つだけなのですが、人っ子一人いないバス停で、本当に来るかどうか分からないバスを待つのは意外に勇気がいります。

 雪が積もっていて寒いですし。

 なんだかんだでバスは来たのですが、ちゃんと指定のバス停で降りれるまで、かなりドキドキでした。

 

 

 もっとも、降りたら降りたで、完全な雪道に放り出されてしまい、途方に暮れることになるのですが。

 ここで失敗したのは、グーグルマップを見ながら歩いた辺りでしょうか。

 どうも、この辺りでは地元の人が実際に歩くルートしか除雪されておらず、指示ルートを歩くと、完全に新雪の上を突っ切ったり、歩道がないトラックのガンガン走る道の路肩だったりと、割といつ死んでもおかしくない感じでした。

 特につるっつるの路肩で転んだところに車が来た日には、人間なんて普通に余裕で死にます。

 おそらく、雪が残る時期に日が落ちてから、徒歩でフェリーターミナルまで歩くルートはお勧めできません。

 最低限、雪道でも滑らないブーツとか欲しかったですね。

 

フェリー搭乗

 結果、どうにか青函フェリーのフェリーターミナルまではたどり着けたのですが、20時半にちょうど前のフェリーが出発してしまい、次のフェリーは23時半とかです。

 搭乗手続きを終えると、何にもない待合室でいきなり2時間くらい待つ羽目になりました。

 何もないどころか、他の一人くらいしかおらず、かなり怖いところだったです。

 また、椅子がいわゆる寝れないように加工されており、非常に使いづらかったですね。

 スマホとかの充電用コンセントは提供があります。

 意地でもバスを利用する場合は、ここの接続が非常に悪く、結構待たされるのを覚悟した方が良いかもですね。

 かかる時間と予算の都合で、22時過ぎくらいに駅からタクシーを飛ばすみたいなルートなら、もう多分新幹線のほうが良いです。

 

 それでもタブレットとか見てると、かなりサクサク時間は過ぎます。

 時間になるとアナウンスが入って、徒歩でフェリーまで移動して乗ることになります。

 面白かったのは、普通の船とは違い、乗船用のタラップを上がったり、舷に直に上がったりみたいな感じではなかった辺りでしょうか。

 青函フェリーは、一番最下層に車やトラックを積み込んで運行されます。

 人間についてはおまけらしく、車とかトラックを積み込む最下層の広いエリアにまず直接乗り込んで、そこから船のデッキまで延々やたら狭い階段を上っていく感じになります。

 上り終わると、船のデッキから船室に入る感じですね。

 

 

 ちなみに、最下層のエリアは、一番船の後部に上げ下げされる、船の側面後部くらいの大きさがあるデカイ扉でのみ海と隔てられているため、床は海水でびちゃびちゃだったりします。

 このデカイ扉が岸に渡されて、はしけの代わりになったりするみたいですね。

 ちなみに大昔は、これがなく、最下層のエリアがむき出しだったため、台風で荒れた日にそこから海水が入って沈んだ青函連絡船とかあったようです。

 北海道近辺はかなり海流が激しいようですね。

 乗り込んでしまえば、後は着くのを待つだけです。

 23時半出発で着くのは朝の3時くらいのようですね。

 

 ちなみに、徒歩の乗客は二人くらいしかおらず、残りは全部車やトラック利用者でした。

 船室は、トラック利用者と、客室利用者と、それ以外で乗船場所が分かれており、うちみたいな最安の徒歩利用で客室を利用しない人は、大部屋みたいなところで雑魚寝するしかない感じになっています。

 船内設備は、自動販売機、共用のでかいテレビ、電話、給湯器に加えて、意外なところでシャワーとかもありました。

 トラックの人とかは、宿泊しないで、ここで休んでそのまま次の目的地へ移動なんでしょうね。

 雑魚寝は結構抵抗ありそうな気もしたのですが、さすがにうちの入った部屋には誰もいないとかだったので、到着までは余裕で寝れました。

 船は、結構揺れた気もします。

 

フェリーターミナルから 

 フェリーが函館側につくと、下船のアナウンスが流れて、乗ってきたのと同じ道を通って下船します。

 函館側にも同じようなフェリーターミナルがあり、いったんそこに入りました。

 が、ここでも驚愕の事実が発覚します。

 またしても、フェリーターミナルから、鉄道の駅等へ移動するバスがないのです。

 正確には、函館側は、ないこともないのですが、営業不振かなんかで、1日1本に絞られており、まったく使い物になりません。

 

 

 おまけに、函館側は、もう完全に雪国で、相当に積もった上踏み固められたアイスバーンの上、さらに雪が降っていたりしました。

 歩いたら多分死にます。

 

 ただ、その救済なのかどうなのか分からないのですが、青函フェリーのフェリーターミナルと、函館駅のような決められたポイント間のみ、低額で安くタクシーを使えるサービスがあったのでそれを利用してみました。

 私の時は、フェリーターミナルに、タクシー会社向けの無料の電話があり、それの利用で、函館駅まで1000円くらいでした。

 安くはないですが、ひどい時間だったので、多分通常よりかなり安い気がします。

 このように、青森側で乗るときと、函館側で降りるときとで、フェリーターミナルまでをタクシーで移動してしまうと、結局+2000円以上かかってしまうため、フェリーターミナルまでの移動手段を確保できない場合は、値段が大差ない上に早いので新幹線のほうが良いですね。

 

帰り

フェリーターミナルまで

 帰りは、さすがにまたタクシーは乗りたくなかったので、いろいろ頑張ってどうにかバスでいけないか調べることにしてみました。

 こちらもグーグルマップの徒歩だと、JRの五稜郭駅から30分くらいとあるのですが、函館側は青森以上に道がつるっつるで、どう考えても普通の靴では生還できそうになかった都合です。

 こちらのバスサイトも相当めちゃくちゃな作りで、ネットを調べても全然分からない感じでした。

 

 しょうがないので地元の人を動員してみたのですが、その人でも分からないレベルだったので、マジで誰向けのサイトか分からないレベルなんだと思います。

 とにかくつらいのが、同じバス停でも道路のどっち側にあるバス停で、経路を行きと帰りのどっちの時刻表なのかがネット上からは、特定出来なかった辺りでしょうか。

 余談ですが、バス停名もどうも表記割れしているようで、なんかネット上では、微妙に名前が違うバス停が複数あるように見えるのですが、現地に行ったら1個しかなかったりしました。

 マジでどうなっているのか・・・。

 

 それでも、なんとかフェリーターミナルの近くを通るバスは、現地で確認することで特定できたのですが。

 函館側の青函フェリーの最寄りバス停は、北浜町で終バスは20時くらいですね。

 またしても、その時間まで時間をつぶしつつ、その終バスをドキドキしながら待ちます。

 ちなみにこちらも、スタバですら20時にしまってしまう上、マックとかもないので、ラッキーピエロとか言うかなり攻めた店でダラダラしてました。

 時間前くらいにバス停に移動すると、地元の人が、バス停の時刻表を覗いて、首を振って去っていったりしました。

 マジで不安になります。

 こちらもこの終バスを逃したら、この雪が降る夜道を徒歩で歩く感じになってしまいます。

 そんな懸念がありつつも、延々待っているとバスが来ました。

 後は、事前に確認したバス停に止まってくれることを祈るだけです。

 

 

 余談ですが、函館側のバスは、一旦バスと市電の共通乗車券を買ってしまえば、ここでも利用可能です。

 事前にメモしてあったバス停でどうにか降りると、今度はちょっと学習して、グーグルマップを参照にしつつも、なるべく人の足跡がある道を進みます。

 

 

 なんか無人で薄暗い完全に工業地帯みたいなところを抜けると、どことなく見覚えのあるフェリーターミナルに戻ってくることができました。

 こちらも23時半のフェリーなので、乗船手続きをしてしまえば、後はひたすら待つだけです。

 青函フェリーの函館側のフェリーターミナルは、青森側よりさらにしょぼく、マジで何もない感じでした。

 ただ、椅子は一応横になれる感じの椅子だったので、度胸があれば寝れると思います。

 こちらは、日程の都合か数人の歩行者っぽいお客さんがおり、行きよりは安心でした。

 

フェリー搭乗

 時間になると、行きと同じように、フェリーに徒歩で移動して乗船する感じになります。

 帰りのフェリーは、行きよりさらに狭く、なんとなくお値段にも頷ける感じでした。

 また、大部屋ごとにコンセントが2つくらいしかなく、スマホとかの充電をしたい人で奪い合いになっていました。

 これ多分、普通にお客さんが乗っている場合だと、奪い合いで使えないですね。

 

フェリーターミナルから

 まあ、そんなこんなで青森側のフェリーターミナルにつくところまでは良かったのですが。

 今度も朝の3時フェリーターミナル着で、そのままどうするのか困ってしまうことになります。

 函館側に倣えば、今度もタクシーなのですが、こちら側は、定額タクシーのようなサービスを見つけることができず、始発のバスは朝7時前とかです。

 悩んだのですが、軽く雪は降っていたものの、さすがに北海道ほどのつるつる雪道ではなかったので、日の出ちょっと前くらいに徒歩で青森駅まで移動してみることにしました。

 これが後から考えると大失敗だったのですが。

 

 行きに利用したバス停までのコースは、歩道が一切なくかなり死を覚悟する感じだったので、ちょっと使いたくなかったため、グーグルマップを見つつなるべく広い道を進んでみます。

 こちらの歩道もかなりひどく、数メートルとごとに積雪した植え込みに遮られ、そのたびに車道に降りて植え込みを迂回し、次の歩道に乗りなおすみたいな感じになっていました。

 それでもしょうがないのでかなり進んだのですが、進んだ先では、なんと積雪のため歩道通行禁止みたいな立体交差にぶつかってしまいました。

 歩いていたのは中央分離帯のあるかなり広い道だったので、横断するためには、かなり戻らないと行けなくなります。

 完全に絶望する感じです。

 

 とは言え、ここにいても遭難確定なので、ひたすら来た道を戻ることにします。

 かなり戻って別ルートを進むと、いきなりある程度は、雪かきされ、降っている最中の新雪である程度歩きやすくなっている道にぶつかります。

 おかげでかなり距離を稼ぐことができました。

 この道は、地元の人も使っているようで、途中学生服を着た学生を見かけたのですが、さすがの現地人ということで、爆速で追い抜かれてしまいました。

 雪道なのに凄い早さだったと思います。

 最終的には、駅前のスーパー銭湯みたいな温泉に滑り込んで、電車が動き始めるまで休むことができたのですが。

 グーグルマップ上では30分の距離を、雪道だったのと迷ったせいで1時間以上さまよう羽目になりました。

 ちなみに、戻る羽目になった立体交差は、後で調べてみると、もう本当に駅の真横の雪がなければ本当にすぐという距離という感じで、雪道で遭難する人の気持ちが少し分かった気がしますね。

 

まとめ

 北海道へフェリーで渡るルートは、昼間のバスがある時間に利用か、雪のない時期にフェリーターミナルまで歩くパターン以外は、あまりお勧めできないと思います。

 ただ、昼間のフェリーに乗ってしまうと、移動で完全に一日つぶれてしまうので、かなり時間がないときついんですよね。

 都心からだと、新青森まで新幹線で行って昼間のフェリーに乗るとかなら、そのまま函館まで行ってしまっても大差ない気がします。

 

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kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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