ようやく「君の名は。」を見れたので、感想的にメモです。ちょっと前に物凄い流行った恋愛もののアニメ映画ですね。お話の筋としては、宣伝とかでも有名な通り、「私達、入れ替わってるー?」みたいな感じです。
超有名な上、公開からかなり経っているので、以下ネタバレありの内容になります。
個人的な結論から言うと、かなり面白かったです。もっとも私の映画の場合の感想は、大体「面白かった」スタートなのですが。そこから、その作品でしかない尖った要素があると、「かなり面白かった」とかになります。
本作の場合のベーシックなストーリーの下敷きは、おそらく遠距離恋愛ものになると思うのですが、主人公二人が直接あっているシーンはラストまで一切ないのに、やり取りが凄い面白いのが非常にうまいと思いました。スマホのSNSとかで今風のアレンジが良かったです。
また、単なる恋愛もので終わらず、結構大きな事件を絡ませて、それを解決していく形で進んでいくのも良かったと思います。二人のとことん会えない理由が微妙な時間のズレって分かったときは、結構ドキドキしました。この辺りは唐突で飛びすぎなんて話も聞こえそうですが、単なる入れ替わりから1本ひねってあるのも上手いところだと思います。
じゃあ、逆にどこがつまらなかったのかと言うお話になります。公開直後、特定の範囲で、「あまり良くなかった」という声を結構見かけました。私個人の感想としては、前記の通りに明らかに面白かったです。反面、面白くなかったという感想になる理由も、ある程度は感じた部分があります。
前提としては、この作品の監督である新海誠さんのことが問題になってきます。ちなみに私の場合、この監督さんの過去の作品視聴歴は、「雲の向こう、約束の場所」、「秒速5センチメートル」、「ほしのこえ」辺りになります。
「あまり良くなかった」と言う声を聞いたのは、主に古くからこの監督さんが結構好きだった範囲からでした。ちなみに私がこの監督さんを初めて聞いたのは、イースって言うPCのRPGのゲームの時です。一方で、10年くらい前には、すでに凄い熱心な人からお勧めされた記憶があるので、実際はかなり前からその筋では有名な方だったと思います。
で、前述の作品と今回の「君の名は。」を比べてみても、やはり結構な類似点が多い事を感じました。やはり、ベースが恋愛ものであることと、お話のコアとして、SF要素が含まれているところが一番大きいと思います。他にも軽く理工系の心をくすぐるような無線の知識、印象的な電車のローカル線の駅のホーム、書き込みの凄い綺麗な風景、思春期特有の悩みなどなど、わりといつも通りです。
そして、「君の名は。」は、映像作品としてより多くの人が楽しめるように進化しています。問題はおそらくここです。と言うのも過去作は、大きく当てるという縛りがなかったせいか、わりと監督さんのやりたいことがダイレクトにつっこんであった印象を受けました。
具体的には、まず、物凄い恥ずかしいような感情の発露や語りが、もっと遠慮なく突っ込まれていた気がします。例えば、「秒速5センチメートル」とかだと、もっと一瞬鳥肌の立つような、キャラごとの独白が延々続いてような記憶があります。
また、結構ストーリーラインで、多少おいてけぼりを食らうような展開が印象的だった気がします。例えば、「雲の向こう、約束の場所」でも、後半は、いきなり何年もたった所から話が始まるのですが、成長後のキャラが成長前の誰だか良く分からないまま延々話が進んだり、設定が多少ぶっとんでたりした印象を受けました。とりあえず、多分この映画については、2回位見たのですが、2回とも成長後の男性が成長前のどっちの男の子だったのか、途中まで混在して見てた記憶があります。
つまり、面白く見やすく無難になってしまったゆえに、お話として尖っていたり、想像力で補ったりしていた部分が薄くなくなってしまった感じがあるんですね。私は面白ければ別に良いので、このままガンガン活躍してもらえば良いと思いますが、この辺が好きだった方には、ちょっと寂しくなってしまったと思います。もちろん人を選んでしまう部分になるのですが、初めて見た時「ごりっ」と感じるような、印象的な違和感とでも言うものでしょうか。
とりあえず、ジブリみたいなポジションになって、これからも、定期的に新作が出る感じになってもらえると楽しそうですね。「彼女と彼女の猫」もガチ泣きしてしまいましたし・・・。
kuroneko
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