侵害訴訟代理試験の模試を受けてみました。

Notebook Pen Table Book Note  - Engin_Akyurt / Pixabay 付記試験
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 なんか周囲で流行っていたので、侵害訴訟代理試験の模試を受けてみました。正直参照なしで、ロクに答案が作成できるとは思えないので、不安しかなかったのですが。実際、そもそもの情報展開してくれた方が、模試の受験を見合わせるとか言うのが、直前で発覚して、不安が2倍に。

 今回の模試は、日本弁理士協同組合とか言うところの主催です。弁理士試験後になってときどき見かけるようになったんですが、この日本弁理士共同組合ってなんなんでしょうね。弁理士会とは当然何の関係もなく、周囲に積極的に付き合ってる人もあまり見かけません。正直、謎の多い組織です。

 模試自体の方は、特許法+小問と、特許法以外+小問との2分野で、それぞれ1回づつ開催されます。お値段は、かなり強気で、採点がないのに、1分野につき13500円。正直、ほぼ答練と変わらないので、Lの模試とかが安く見えます。とは言っても、簡単に探した範囲では、余所の模試も同程度のお値段で、さらに小規模開催ばかりだったので、消去法で申し込みました。

 模試当日としては、日本弁理士協同組合事務所併設のセミナールームみたいなところで、30人くらいが集まって受けました。能力担保研修の自主ゼミ組がかなり参加しており、予想以上にどっかで見た顔が多い感じでした。

 模試の大問の内容自体としては、今回は特許法以外の範囲の問題で、答弁書系の問題だったのですが、依頼者の言い分として、「自己の標章の使用対応は看板の一部だから関係なくね?」みたいな感じだったのに、結局つつみの規範で分離観察させつつ、わざわざ違いの小さい個所を要部にして、非類似を主張させる解答と言う、ちょっとなんか良く分からない奴でした。

 他にも同じようなことを思った人も居たらしく、質問でちらっと聞きましたが。ちなみに依頼者の言い分の後ろの方で、再度被告商標との違いを言ってる部分が出てくるのですが、前記の内容があったので普通に混乱します。やはり、何でもかんでも分離観察なのか・・・。

 いずれにせよ、原告商標のどこと被告標章のどこを比較するのかは、明確に意識しながら答案構成をしないとダメな印象を受けました。確かに、印刷されている部分のその後の流れを見ると、「看板の一部だから」と言う比較ではなかったので。どうやら、今回のように看板のようなもの自体で類否を検討させる場合は、必ず看板の絵が問題につくそうです。この点で見分けれるのも手かもしれないと思いました。

 模試の小問の内容としては、珍しく大問の内容を前提にした形式でした。記憶に残っている箇所としては、時効の起算点についてでしょうか。
 例えば損害賠償において、普通時効を考える際は、条文通りに、例えば加害者と損害を知ってから(起算日)、3年目の日付を強く意識すると思います。ですが、解説によれば、重要なのは、検討時点である基準日、例えば答弁書の提出日時点から3年前の日付が重要なようです。

 と言うのも、確かに起算点から3年すれば、確かに損害賠償は時効になります。しかし、商標権侵害とかの事案においては、損害が時々刻々、言い換えれば、侵害し続けていれば、毎日発生します。都合で、起算日から3年目と言う日付から解るのは、起算日から3年前の日の一番最初の損害賠償が時効で消滅した日と言う事が分かるだけと言う事らしいです。

 一方、検討時点である基準日から3年前の日付からは、答案で必要な基準時時点でどれくらいの損害賠償額があるか判断できるようです。具体的には、基準日から3年前は実施していたけど、1年前からは実施していない場合を考えると、起算日から3年とかはどうでも良く、基準日から3年前から1年前の間について時効の到来前と言うことで、損害賠償額が検討できますし。

 民法民訴はやっぱり沼ですね。
 今回の学習計画は、明日明後日がゼミと模試とで、区切りが悪いので次回に回します。

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kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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