出先で待ち合わせまでに時間が空いたタイミングがあったので、思い付きで、ちょっと前に話題だった映画の「天気の子」を映画館で見てきました。公開から時間がたっているので、基本的にはネタバレありの感想です。
結論から言うと、前作の「君の名は。」と比較すると、前情報なしにざっと何も考えずに見て「面白かったなー」って思えるのは、「君の名は。」の方だと思います。
内容的には、いつもの新海テンプレストーリーで、今回の題材は雨と伝承になっています。偶然ちょっと前に、同じ監督の「言の葉の庭」を見ていたので、また都心で雨とか、マンネリ大丈夫かよとか思ったのは秘密。
東京に家出してきた家出少年と、同じく身寄りの怪しいメインヒロインとが、この作品世界特有の「晴れ女」と言う伝承に巻き込まれて、大都会東京で色々するような感じです。今までの作品とちょっと違うかなーって思ったのは、ラストシーンでしょうか。
今までの作品群は、大体少年と少女が出会っていろいろあるけど、結局ラストシーンは別々の場所とか、再会が明示されていないパターンばっかりだったのがテンプレでした。今回は、この辺りがちょっと変わっています。この辺りは、前回のフィードバックなのでしょうか。
特に良かったところとしては、この監督の作品史上で最高に、動いてるキャラが超かわいい辺りが凄かったと思います。特にメインヒロインの子と、バイト先のお姉さん。なんか、雨の風景が凄いとかって感想ばっかり見ますけど、声優が演じている訳でもないのに、キャラがあんなかわいく見えるのは、正直異常なのではないでしょうか。
また、根底に流れるいつもの若いときは、もっとやりたいことを好き勝手やった方が良いし、かなり暴走しても、別にそれで世界がが終わる訳じゃないみたいな辺りのメッセージは健在です。この辺りは、自分ではできなかったけど、あんな感じだったら面白かったなぁみたいな感想になるので結構好きです。
次点で面白いと思ったのは、ものスゲエ社会に対する不満を堂々と描いてしまった辺りでしょうか。この監督は、前回せっかく「君の名は。」で大きく当てたので、次回作のためにも、もっと無難に行けばよかったと思うのですが。
監督的にも無難にポストジブリみたいに使われるのは嫌、みたいなメッセージだったんですかね。とりあえず、ラピュタや、サマーウォーズのように繰り返し毎年なぜかテレビで放映されている作品みたいな立ち位置は、かなり厳しい気がします。
具体的にいくつかあるのですが、一つ目は、とりあえず警察関係でしょうか。子供に対して銃を向けたり、やたら横柄な警官とかが、主人公の敵サイドで普通に出てきます。
二つ目は、そもそも主人公が家庭の不和とかで、地方から東京に家出してきたみたいな設定であることでしょうか。家出した彼は、家族からの捜索願から逃げつつ、ネットカフェを転々したり、月3000円の怪しい住込みバイトで食いつないだりします。挙句に拾った偶然拾った拳銃をぶっ放したりしてしまうので、相当です。
他にも細かい辺りでは、15歳でマックのバイトとか、ヒロインが子供だけで暮らしていて、全く役に立たないと噂の児童相談所から目を付けられていたりと、かなり壮絶な感じになっています。
うまいなーと思ったのは、コラボの嵐をうまく作品に取込んでいた辺りでしょうか。前述のマックについては、店舗はもちろんメニューまでばっちり解る感じで出てきます。他にも、カップヌードルやポテトチップス、Yahoo知恵袋、バイクのカブ、やたら風景描写に出てくる映画館の看板などなど、宣伝向けのコラボと言うよりは、リアルな風景を演出するのにうまい感じで突っ込んである感じがしました。とりあえず、劇中のYahoo知恵袋は便利過ぎたので、ちょっと使ってみたい気分になりましたし。
そんなわけで、超面白かったわけではないですが、とりあえずドラクエ映画とどっちか迷った場合は、確実にこちらの方が安全です。特に、新宿近辺の地理に明るい人は、1割増しくらいで楽しめると思います。Lタワー下の陸橋で、JRに向かってやたら写真を撮ってる人が居たのは、聖地だったからなんですかねー。
kuroneko
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