ホムヘル講座日記・おまけ

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派遣切りされても介護だけはヤダとか、介護職の劣悪待遇がクローズアップされてたりしますが、ホムヘルの授業を受けてて講師の話や、学んだ内容からなんで薄給重労働なのかの辺りを考察してみたりします。

講師の話の中にも、就職してリーダークラスまで行ったけど結婚しようとしたら収入が足りないので転職せざる得なかった人が居たとか、講師当人も週5で介護して週末は学校の講師なんて言う話を聞いての感想としては明らかに業界構造が間違っていると思わざる得ません。
小学生でも間違いを指摘できるレベルに。
普通の商売はいろいろ細かいことを抜きにすると、利益=売上げ-コストです。
つまりこの方程式がおかしいか、利益の部分を薄く見積もりすぎです。

ところで、介護問題の現在の状況は、大雑把に言うと大体2000年頃の介護保険のしくみができた頃に起きました。
このとき、以前と比べて何かが変わったかを物凄い乱暴に書けば

「年を取ると(いわゆる)病院に入院しっぱなしになり、亡くなる」と言うそれまでの亡くなり方が、法律的に不可能になった

と言うことになります。
そうなると、年を取ったら臨終を迎えるまではどうしたら良いんでしょうか。
なんと、核社会のこの世の中に基本は自宅で暮らしてくれ。
となったのが変化です。

しかし、それまでは年を取って病院に入っていたようなお年寄りが、普通に自宅で生活できる訳がありません。
この部分を解消する為に明確化されたのが居宅介護サービスということになります。

ここで先ほどの2000年と言う時期が問題になってくるのですが、実はその頃の介護業界ではとある会社がヒドい事をやって介護保険制度を回してました。
当時身近にお年寄りが居た方は良くご存知だと思いますが、その会社の名前とはコムスン。
派遣業界でもおいしい時期には物凄い奴隷商売で儲け、景気が傾けば即効派遣切りで逃げたあのグッドウィル系列の会社です。

居宅介護が施行されてからしばらくは、大会社で体力のあったコムスンが不正請求の嵐でどうにか回していたのですが、結局はそれがバレて撤退。
ここまでなら派遣切りの時と一緒なのですが、コムスンの場合は一点だけ大きく異なる点があります。

コムスンが潰れても、彼らがお世話をしていた要介護者はそのまま取り残されてしまったと言う事です。
当然彼らがほったらかしにされることは、社会的にありえるはずもなく、当時の残された中小の介護事業者は大変な思いをして可能な限りのお年寄りを受け入れたのではないでしょうか。
で、大手でも不正をしないと利益が出ないような境遇で働かざるえないような制度を、「行けるモノ」として社会に認知させてしまったコムスンの責任は絶大だと思います。
さらに最悪な事に、介護関係の施策は大体5ヵ年ごとに更新されるのですが、その区切りは大体1994年からの5年区切りだったりします。
コムスンが死んだのが2006年頃ですから、ちょうど2004年までのゴールドプラン21施策が終わってちょっとした辺り。
つまり、見方の一つとしては

従事者が生活できないような待遇を踏み固めて逃げた一部の大企業のせいで、低賃金かつ重労働な職場を現場は維持せざる得ない

と言えるのかもしれません。
もっとも介護の仕事が好きでしょうがないから、と現状を感受している方も多そうですが。
(参考:都内のハローワークで正社員の初級介護職を検索してみた所、支給17万前後でほとんど昇給なさそうなのばっかりでした。)

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kuroneko

とある企業の知財部で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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